こんばんは、最近は教育や出版の方が忙しくて、まったく企画の話をしてないことに気づいた田中聖斗です。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
今回ご紹介するのは、発表会やお祝い事などのイベント行事で「これはプレゼントとしてインパクトあるな!」という、世界に一つだけのスイーツ贈答品のご紹介です。
Contents
昔ながらの定番お菓子
みなさん、「千なり」って知っていますか?
秋田県の煎餅屋の末っ子にして、人をあまり褒めない落合博満元中日監督が、とんねるずに対して「えっ? 千なり知らない?」と言った、あの、名古屋を代表するどら焼きです。
フジテレビ『とんねるずのみなさんのおかげでした』の新・食わず嫌い王決定戦に当時中日ドラゴンズ監督であった落合博満が出演した際、「お土産」として当製品を持参している。(出典:Wikipedia)
名古屋の人なら(特に昔の人なら)百パー知っている、1634年創業の和菓子店、両口屋是清が販売する名古屋の昔からの定番お土産でして、なんなら、名古屋では「どらやき」ではなく「千なり」がデフォルトという人もいます。落合元監督がとんねるずに言ったのも、「名古屋の定番差し入れじゃねーか?」という意味だと思います。
ちなみにこの、「千なり」という名前は、どら焼きの「焼き印」に秘密があります。
写真を見て、歴史好きならお気づきかと思いますが、「千なり」とは、豊臣秀吉の馬印(目印みたいなもの)「千成瓢箪(せんなりびょうたん)」のことです。千成瓢箪とは、文字通り、「千のようにたくさんヒョウタンが成っている」ことを表しているので、どら焼きの名前も「千なり」、というわけです。
画期的な商品、千なり
この「千なり」。
元々、両口屋是清の11代目が長崎の文明堂のどら焼き「三笠山」にインスパイアされて、「焼き印」をつけるという革命的な発明をすることで、オリジナルお菓子に昇華したものです。
そして、その時に使っていた焼き印が「菊」だったんですね。
そう、「菊」と言えば天皇家の象徴。
天皇家の「菊」は十六枚の八重なので、11代目はそれとはかぶらないように配慮して作ったにもかかわらず、今の言葉狩りばかりしている国粋主義者と同じように「菊を使うとはけしからん!」と言われたかどうかは定かではありませんが、憲兵に菊の使用を禁止されます。
そこで11代目は苦肉の策として、花びらをちょっと改良して「ヒョウタン」型にしたのです。(Wikipedia情報)
そうしたら、今風に言えば「よく見たら千成瓢箪じゃね?」という感じに思ったんでしょうね、11代目は。結果、商品名も「千なり」となったのです。
両口屋是清は名古屋の和菓子店ですから、地元出身の豊臣秀吉にあやかってか、名古屋を代表するお菓子としてこれが大ヒット。昔の名古屋土産といえば、「ういろう」「きしめん」、そして「千なり」でした。重いものが一番いい、という名古屋人らしい価値観に非常にマッチした商品です。
とはいえ最近は、両口屋是清のヒット商品といえば、「よも山」「旅まくら」「志なの路」の三点セット(謝罪といえばこの銘菓詰め合わせが定番)の方が、両口屋是清の定番になってしまいましたが・・・実際、「旅まくら」は、昭和天皇にも献上されたということなので、美味しくて人気です。
世界に一つだけの千なり
そこで、本題。
タイトルにもありました、「世界に一つだけのスイーツ」とは何か?
そう、「千なり」です。でも、ちょっと違う「千なり」をご紹介します。
先ほど、「千なり」は、長崎堂のどら焼きとの違いに「焼き印」をつけたとありますが、まさにそれこそが「千なり」の「千なり」たるゆえん。
最初に登場した時は「菊」だったのが、「千成瓢箪」になるくらい、「たいした意味はなかった」であろう焼き印が、現代の「千なり」に重大な変化をもたらしました。
オリジナル千なり!!
千なり焼き印オリジナルサービス
「焼き印」が誕生時から変わった、「千なり」らしい、オリジナルの焼き印を作って「千なり」に刻印(名入れ)してくれるという、超絶感動的なおもてなしサービス。
どうしても名古屋限定感が強いですが、東海地方の人なら、かなり喜んでくれると思います。
しかも料金が安い。
焼き印1本の制作費が、注文個数によって変わりますが、1本税込5400円から。
800個注文すれば焼き印の制作費は無料と、かなりお安いサービスです。
しかもこれ、制作した焼き印がもらえる上、再度注文する時も、その焼き印を再利用することが可能、と、とことんお客さんの立場に立って考えているサービスです。
焼き印サービスのことを調べてみた!
詳細は電話でお問い合わせ下さい、とのことでしたので、問い合わせてみた内容をまとめました。
【注文編】
- あんは小豆粒あんのみ(粒あん派、抹茶派の方、ごめんなさい)
- 千なり1個から注文が可能(←ユーチューバーがやりそう!)
- 箱は2個、3個、5個、8個、10個・・・など様々なものが用意できるが、市販の千なりにないサイズ(2個など)は無地の箱
- 焼き印をつける作業費として、千なり1個につき+15円かかる。ちなみに通常145円が160円になる
- 7~8年前から始めたが、好評で毎日注文があるような状況
【制作編】
- デザインの入稿は担当者へのメール(電話でやりとりする)
- 入稿データは、JPEGなどの画像かPDF。イラストレーター形式(.ai)は対応していない
- 入稿データは4~5日で焼き印の元データにして送ってくれる
- 彫るのは3~4時間かかり、1日に最大3本ぐらいしか作れないので、お早めの注文を(2週間前が理想)
- 千なりが直径9センチだが、端の部分は刻印できないため、端から1.5センチくらいの余白が必要(実質、直径6センチが刻印範囲)
- 漢字は5個くらいが限度。アルファベットなら7文字くらい
- 針の最小直径は0.5mmだが、細い線だと刻印時にわからなくなるため、基本的には太線で一本書きがベスト
かなり、お客様本位だなという感じがします。さすが1634年創業の老舗。
自分たちの事ばかり考えていないのはさすがです。
どんな時に利用する?
たしかに、焼き印一本5000円というのは、多くの人にとって「大きい」とは思いますが、規模感の大きいイベントのインパクトのある記念品として考えれば、充分元が取れるのではないでしょうか?
「創立○○年記念」とか「卒業記念」とか「同窓会」とかであれば、会社のマークや、学校の校章なんかもいいでしょう。
見本のように、結婚式の引き出物にしてもいいでしょう。
年配の名古屋人を招く結婚式であれば、「重くてかさばる」名古屋土産の定番「千なり」は喜ばれますし、そこに「ありがとう」とか、本人たちの名前が書いてあるものなんかもいいでしょう。二人の名前の入った皿などの引き出物をもらうよりずっといいです。
「新会社」や「新サービス」の立ち上げなど、特に名古屋でやるのであれば、名古屋人なら食べたことがなくても名前は知ってる「千なり」というのも選択肢に入れてもいいのかな、と思います!! これだけで、名古屋の人たちは、「名古屋の会社か!」と理解してくれると思います。
実際、私もこの「オリジナル千なり」を知人経由でもらったのですが、新サービス提供の発表会で配られたものでした。
とりあえず「千なり」「旅まくら」を食べたい!人向け
とはいえ、やっぱり多くの人に焼き印を使う機会がない。
でも、「千なり」気になる!という人もいると思います。
しかし凄い時代。
驚いたことに、両口屋是清の「千なり」「旅まくら等(銘菓三点セット)」はAmazonでも買えます笑。
名古屋以外の人でも、オリジナル千なりを頼もうか考えている方は、「千なり」を一度食べてみてから考えてもいいですね。
ちなみに味は、一般のどら焼きよりも、生地がパンケーキに近いふんわりしているのかな、というのが個人的な感想。通常バージョンは小豆の種類が選べますが、オリジナル千成は「粒あん」だけですので、その点はご注意下さいませ。
〈参考〉
Wikipedia
両口屋是清
#オリジナル千なり