「入学祝いに地球儀を送りたい!」
「クリスマスプレゼントに地球儀をほしがっている!」
「地球儀、どれがいいのかわからない!」
地球儀って、いろいろ出てますよね。
いろいろ出すぎて、どれを選べばいいのかわからないような状況になってしまうので、ここでひとつ、普段、子どもたちに勉強を教えている私が、実際に色んな地球儀を見てきた上で、地球儀選びのポイント、オススメ地球儀をお教えします。
※地球儀が「いるか?いらないか?」については、別の記事で活用方法の紹介とともに書いておりますのでそちらをご覧ください。
Contents
一番おすすめの、地球儀の買い方
地球儀には、国別に色分けしてある「行政図」タイプと、高度別に色分けしてある「地勢図」タイプがあります(詳しくはこちらにまとめてます)。
「地球儀は学びを深めるための道具である」という考えからすると、未就学~小学校は色分けがしてあり「外国」を学びやすい「行政図」に、中学(もしくは小5)以降は地形や気候を学びやすい「地勢図」に、アップグレードする、つまり、地球儀を買い換える使い方がおススメです。
そんなの、お金がかかりすぎる!!
・・・と思うかもしれませんが、この方が学習効果は高いです。
地球儀のアップグレードをおすすめする7つの理由
理由その1:勉強の内容が変わる
中学から、世界地理が本格的にやりますが、小学校5年から世界地理は始まります。
小5であれば、国名だけを問う問題もありますが、中学校になると、どの地域の、どの都市が、どのような気候なのか? どのような産業なのか? といったことを学びます。
その場合、同じ国内でも気候が変わることもあるので国名はあまり重要になりません。だから、「行政図」のように国ごとの色分けに大して価値はないのです。
むしろ、気候を学ぶ時は、「砂漠」なら砂漠とわかりやすい「地勢図」タイプのものが断然オススメです。
また、中学では「世界史」を学ぶため、シルクロードはどこを結んだのかとか、どの地域のどんな地形上の場所で、どんなことが起こり、なぜこうなったのかわかりやすい「地勢図」の方が理解が早くなります。なにより、行政図の「今の」国ごとの色分けは、昔の国境を確認する時のジャマになります。
理由その2:時が経てば国名が変わる
地球儀が「なんか買うのがもったいない」のは、5年も経てば国境や国名が変わってることがあるというのがありますよね。
我が家に昔あった地球儀は、「ソビエト連邦」と「東西ドイツ」が書いてありましたが、小学生の時に両方とも国名が変わり、中学では見る気も起きませんでした。
それくらい、情報の古い地球儀は、勉強で絶対に必要な「正確性」という意味で信頼度が低い。
独立すると国境も変わり、ここ10年で、コソボ、南スーダン、ニウエなど、新しい国も出来ています。「行政図」の地球儀だと、色が変わってない違和感があるまま手元にある状態になります。
また、あまりありませんが、最近、大関に昇進した外国人力士、栃ノ心関の故郷が「ジョージア※」と言いますが、昔は「グルジア」と呼んでいたものを「読み方を(ロシア読みから)変えてほしい」との理由で、2015年から「ジョージア」になった、ということもあります。
(※アメリカのジョージア州ではありません^^;)
小学校6年間「行政図」を使って、中学から6年間、新しくなった「地勢図」使う、という方が、より世界情勢の変化に対応できると言えるでしょう。
Googleマップをみんなが使うのは、地図がアップデートするからでもあります。
理由その3:「行政図」モデルは種類が多く、安い
これは勉強という面ではなく、経済的な理由です。
地球儀はほとんどの人が「行政図」を買います。それは、小学校入学時の「入学祝」の色合いが強く、未就学児の子に、ザ・地理の「地勢図」モデルは難しいのです。そのため、ほとんどの地球儀が「行政図」になっており、大小さまざまなモデルが、各メーカーから出されております。
お金をあまりかけられない家庭でも、13cmくらいの小さい物、20~25cmくらいの通常のサイズでも3,000円くらいで買えるものはかなりありますので、この辺で揃えておいても、小学校の内で困ることはなく、地球儀の入門用としては充分だと思います。
↑地軸から地球がスポッと抜くことができるため、理科にも使いやすい小型タイプ(2021年追記:アンティークタイプに変わりました)。
↑小学校の先生が監修した、20cmの軽量小型モデル。フリガナもついているので、低学年から使う事が出来ます。↑ちょっと異色ですが、「ひらがなのみ」モデル。小学校入学前から使えます。
また、安いものは台座等が安っぽいという短所もありますが、その分「軽量」ですし、造りが安い分、あとでアップグレードする時に決断しやすいです。
理由その4:「地勢図」モデルは少なく、高い
中学に上がると、本格的な地理が始まり、クイズみたいな「ここの国名はな~んだ?」的な問題は少なくなり、山脈や気候などの「地勢」を理解する方が大切となり、地図帳も地勢図タイプの世界地図がメインのモノになります。
当然、地球儀も地勢図タイプにした方がいいです。
ただ、地勢図の場合、地形の細かい文字・部分まで見やすい方がいいので、球径(直径)25~32cmくらいの大きめのもので、できれば、横に軸もあって南半球も見やすい「全回転型」のものがよいでしょう。そうなると、お高めになりますが・・・。
また、標高の高い所が膨らむ加工がしてある「山岳隆起」タイプは、なおさら、大きい方が触った感覚がわかりやすいです。
もし、地理への興味が高い子であれば、小5あたりから「地勢図」にしていっても良いでしょう。投資する価値は絶対にあります。
理由その5:小学生は地球儀で遊ぶ
とくに男の子に多いですが、教材で遊びたがります。
小学生の場合は、ざっくり学ぶことが多いし、現実的に、品質よりも触れやすさも大切です。
たとえば「昭和カートン」の地球儀『SHOWA GLOBES』シリーズは、社名に「カートン=紙」と書かれているように、球体に貼ってあるのは「紙」の地図です。
何度も触っていると、紙なので手アカはどうしてもつきますが、地球儀は道具ですので、手アカがつく位触ってくれた方がいいでしょう。
ただ、紙の分、学校で勉強した所、テレビで見た所、実際に行った所など、自由に書きこみやすいので、それで身近に感じてもらえるんなら、安いもんです。
また、ビーチボールタイプのものも選択肢の一つです。
精度の高い行政図タイプとして『ほぼ日』のものが有名です。お値段がそれなりにしますが、精度が高いのも特徴です。
これはちょっと高いな~というのであれば、安いモノもあります(品質はそれなりです)。
ビーチボールタイプであれば、小さいころからリビングに置いておき、兄弟で投げ合ったりしながらも、『イッテQ』で登場する国をチェックするとかもできます。
逆に、おとなしい子であれば、「浮いて回転する」タイプの地球儀も選択肢の一つです(大概中国産で、英語表記ですが)。
理由その6:行政図は子どもっぽく見える
意外と大事なことですが、「行政図」タイプの地球儀は、隣接する国がかぶらないカラフル色使いをしているので、アンティーク調のものをのぞき、インテリアとしては統一感がなく、非常にダサいです。
色的に明らかに子どものオモチャっぽい色のものもあり、ザ・子どもという年齢の子ならいざ知らず、思春期の子にとって、気になる子は気になるでしょう。
そこへ行くと、「地勢図」タイプのものは、デザイン的に大人になっても使えると思うので、やはり買い換える順番は「行政図」⇒「地勢図」がベストです。
地勢図の変化版、木や草が生えてるかどうかを色分けしている「土地被覆」タイプや、「航空写真」タイプなども、大人になっても使えますし、森林や砂漠の量が目に見えてわかり、環境問題への意識も高くなります。
理由その7:中学生は、ほとんどアップグレードする
よく考えてください。
小学校と中学校では、使うものはみんなアップグレードしますよね?
ランドセルは学生バッグに、私服が制服に、学習帳は大学ノートに、鉛筆がシャーペンに(笑)・・・といったように。
なのになぜ、地球儀はずっとそのまま使い続けるのか?
昔は確かに、地球儀=1万円以上する高級品でしたが、今は(精度にこだわらなければ)1,000円以下のオモチャの地球儀ですらある時代です。
「捨てる」ことを推奨しているわけではありませんが、使わずに物置にしまわれるくらいなら、古いものは捨てて(売って)、新しいものを買った方がずっといいです! また、「お古」となった「行政図」タイプを、下の弟妹にあげることもできます。
一生ものの地球儀を買う
とくに、いい地球儀は一生ものです。
「行政図」タイプだと、国名がコロコロかわったりするのが気になりますが、「地勢図」タイプなら、国名がメインじゃないのでさほど気にもなりませんし、地勢はそう変わらないものです。
ですから、中学から使うものは、大げさに言えば受験勉強という苦楽を共にできる、しっかりしたモノをおすすめします。小学生みたいに地球儀で遊んだりもしませんし・・・。
おすすめは以下の二つです。
↑渡辺教具製作所のものは、何と言ってもバツグンに読みやすく必要な情報が必要な位置にしっかり盛り込まれており、圧倒的に勉強に使いやすいです。ホワイトボードマーカーで書き込みもできるので、勉強で使い倒せます。国内メーカーで品質も高いです。
リプルーグル地球儀 オセアニア型 日本語版 33874 球径30cm 地勢型 山岳起伏加工 照明なし ワールド・オー...
世界ニュースから「地政学」的な考えもしやすいです。
どうしても1つで済ませたい!人には…
正直、「買い換えはちょっと・・・」という方もおられると思います。
その場合は、1つの地球儀を吟味して選んでいただきたいですが、行政図タイプであっても、山脈などがわかりやすいものがいいですね。
予算やご家庭での使い方、親御さんの教育方針によって選び方が異なります。
インテリア性を重視して、「アンティーク調」「浮く地球儀」など選択の幅が広いのも、地球儀の良さです。
1つで済ませるなら、できれば、大学入学まで使い倒せるくらいのものをおすすめします。5,000円以下のものは、フレームや台座がもろく、軽いぶんにはいいのですが、耐久性に難があります。
行政図タイプで乗り切る
行政図+山岳隆起で、行政図なのに地勢もわかりやすいです。
アンティーク調地球儀
意外とお値打ちなモノもあります。+1400円でライト付きのものもあり、ベッドサイドのインテリアにもなります。
地球儀 [ライト無し] インテリア アンティーク 子供用 学習 おすすめ 行政図 球径25cm オルビス Orbys イタ...
変わりモノ地球儀
ビーチボールタイプなのに精度が高く、しかも地勢図です。空気を抜いて片付けられます。
ちなみに・・・しゃべる地球儀は?
ただ触っているだけでも勉強になる地球儀ですが、最近は、喋る地球儀など、いろんな工夫を盛り込んだ地球儀も出ていますよね。
そういうものが良いのかどうかというと、これはもう親の趣味で選んでいいと思いますが、結果的に、値段が高いのに音声ガイドがあってもを使わないこともあったりするので、子どもが地理好きで、その機能のデモをめっちゃ喜んでやっていたり、子どもがその機能を使わなくなっても「せっかく高いの買ったのに!」とイライラしない自信があるなら、投資の価値アリだと思います。
そうじゃないのなら、そのお金を、「行政図」⇒「地勢図」へのアップグレードのために積み立てた方がいいでしょう。
※2021年1月追記
最近はしゃべる地球儀がかなり進化してきて、ただしゃべるだけじゃなく、いろんな機能が追加されています。
(以下、最上位グレードの情報)
- 国や都市の名前だけでなく、人口、面積、通過、気候、言語、国家、最高指導者*などの情報がわかる
*情報はパソコンを使ってアップデートできる - 5~10歳、11~14歳、15歳以上と、年齢層別にデータを変更できる
- 4人まで参加できる制限時間つきの「クイズ機能」を搭載
- 2点をタッチして面積や時差や距離などを計測できる「比較機能」を搭載
- 日本語⇔英語へ切り替え可能な「バイリンガル機能」を搭載
- 日本地図・世界の国旗シートが付属し、そちらもタッチペンでしゃべるので都道府県の勉強もできる
アップグレードにも対応している(更新料がかかるけど)のと、年齢別に内容が変わるという仕様も「アップグレード」式の使い方ができて便利ですね。(追記ここまで)
入学祝で買うには、金額的にもベストです。プレゼントした時に一緒に楽しめますし。
番外編:Google Earth
Google Mapsの地球儀版です。無料です。
最新の地球の状態をグリグリ動かしたり、拡大させたりできますが、欠点は、「○○山脈」などの地勢情報が載っていないことで、学校の勉強という面から行くと致命的に物足りません笑。
地図は地勢ではなく、航空写真ですので、砂漠化がハッキリ見えて衝撃です。
(画像はスマホ版です。PC版もありますがクソ重いです)
地球儀はどこに売ってるの?
昔ほど、地球儀を売っている所は狭まってきた感じがしますが、基本的に「大きな文具店(書店併設含む)」で取り扱いがあります。
品ぞろえが豊富なのは「東急ハンズ」ですが、意外な所で「ビックカメラ」などでも取り扱いがあります。アンティーク調のものは、インテリアのセレクトショップなどで売っていることもありますが、そこで買うのは一般的ではないでしょう。
文具店・書店のターゲット顧客によって取り扱う地球儀も変わり、イオンに入るようなところでは、「昭和カートン」などのお値打ちなもの、丸善や紀伊国屋のようなブランド書店は「リプルーグル」などの高めのものが置いてあります。
大きな町でなければなかなか選択肢は少ないので、ネットで購入する選択肢もアリです(何より、Amazonの方が安い・・・・)。
また、「入学祝」としての性質もあり、新生活シーズンに合わせてデパートなどで一気に出ることがありますので、そういったものを使って実物を触ってみることをおすすめします。台座がちゃちいもの、色合いがドギツイもの、表面が紙なのか、コーティング加工なのか、プラスチックなのか等、気になる人は気になると思います。
結局、地球儀は「道具」なので、「こんなんじゃなかったな…」と思うようなものは使いたくなくなるのが人情ですから、納得して買ってほしいですね。
そういった意味で、値段と品質が合わないものは、ここでは紹介しておりません。
※ちなみに、上記に紹介している地球儀は、私が見て触ったモノを紹介しています。