教育の常識を考え直す

学校に「あの時計」しかない理由(上)

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「時計」は学校が教えてくれる?

学校では、ご丁寧に「時計の使い方」というものを、「算数」の時間で教えてくれます。

「○時○分の30分後は、何時何分でしょう?」(小2)

などが代表的ですが、学年を追うごとに難易度が上がる設計です。

ちなみに、文科省の定めた今の『学習指導要領』では、

小1:時刻の読み方(○時半、○時○分)
小2:時間の単位(1時間=60分)&その計算
小3:時間の単位(1分間=60秒)&その計算
小6:速さ(時速○キロメートル)&その計算

というように、学年ごとに学ぶ範囲も異なります。

たとえば「秒」は3年生になるまで習わない仕組みになっているため、親が小2の子に「1時間は60分、1分は60秒だろ?」と言っても、「秒ってなに?」と言われたりします(そうならないように、普段から家で教え込むのが一番ですよ)。

実は、以前は「分」も「秒」も一緒に小3で習っていたのですが、今は、「時計は生活に欠かせないので、とりあえず分までは把握してもらいたい」という意図があってそうなっているようです。

しかしその結果、教える先生はもちろん、学ぶ子どもにとって「時計問題」が非常に難しく感じるようですね。ムリもない話です。

そんな学校の「時計問題」ですが、言われてみればなるほどな事実があることをご存知でしょうか?

 

学校には「アナログ時計」しか存在しない

意外と見落としがちなんですが、
学校には「アナログ時計」しかありません

この、「スマホが時計代わり」という人がいるような時代にです。
ビジネスの世界やネット社会ではデジタル時間が主流だと言うのにです。

でも、学校の教室の時計を思い出してください。

・・・どう記憶をたどってみても、アナログ時計ですよね?

しかも、ちゃんと文字盤があって、1分単位で目盛りがついているものです。

大学や専門学校ならいざ知らず、普通の学校では、学校の時計=「アナログ時計」なんです。

言われてみれば「そうか」と思うかもしれませんが、教室だけでなく、体育館、校舎などもそうです。子どもたちが遊ぶ小さな公園も、アナログ時計しかないのが普通です。

 

「時計問題」ができない子どもたち

もちろん、「時計の問題」を学ぶ算数の教科書にも、「学校の時計」である「アナログ時計」しかありません。

たとえば、よく出てくる「今、○時○分です。30分後は何時何分でしょう?」というような、時間の計算をする問題のさし絵は、「学校の時計」と同じ、文字盤があり、1分単位の刻みがついているものになります。

これがなんだと思われる方もおられるかもしれませんが、よく考えてください。

アナログ時計がよくわかってないと、「時計問題」が解けないということです。

ですから、家にあるかけ時計が

「デジタル時計」だけとか、
アナログでも文字盤に数字がないとか、
あっても「IIIやIVで書く」ローマ数字だったとか、

「アラビア数字で書かれている」「1分刻みの目盛りがある」学校の時計の要素を持った時計に慣れていないと、算数の「時計問題」の理解に時間がかかったり、まったく理解できないままの子も生まれます。もちろん、テストも×です。

実際、時計問題があまりにもできない子に、家で時計をどう見ているのかと聞いたところ、家にあるのがデジタル時計のみだったということがよくあります(もちろん、アナログ時計を買ってもらいました)。 

 

大人からすると、「学校にアナログ時計があるから見慣れているはず」と思われるかもしれませんが、学校には「チャイム」があり、時計そのものを見て生活しているとは限りません。

とくに、算数で時計を習うような低学年は、学校では「チャイムが鳴ってから行動する」という所から始まります。これで果たして「時計を見ている」と言えるでしょうか?

家でも、低学年の子どもは基本的に親が時計を見て、ああしろこうしろとやっていることが多いハズです。これでは、時計の概念が身につかないのもムリはありません。身についていないから、「時計問題」が解けないのですから。

 

アナログだけどインテリア性の高い時計の注意点

昔と違って、今はインテリアが多様化している時代。
アナログ時計でも、デザイン性を高めた結果、文字盤すらないものもあります。

でもこれは、あくまでも「アナログ時計」の読み方を知っている大人のために作られたものです。

正しい時計の「読み方」を知っている大人であれば、上の写真を見て「6時36分かな」と想起することができますが、算数でわざわざ時計の読み方を習うような子どもが、時刻をちゃんと読めるとは・・・・思えませんよね。

ですから、「なんで時計が読めないの?」と大人が思う原因は、大人が作っている可能性もあるのです。

 

一昔前、昭和の時代の掛け時計は、みんな似たような木枠(もしくは木枠風)のアナログ時計が主流でした。あまりにもみんな同じだったので、今では「ビンテージ感」を出すための小道具にすらなっています。

でも、だからこそ、子どもたちも、学校の時計と違わない時計に見慣れ、家でも学校でも同じ時計で生活することができたのです。

もちろん、「デザイン性の高い時計にするな!」「デジタル時計にするな!」とは言いませんが、もし、文字盤がパッと読めない時計にするのであれば、普段から家庭で、子どもに時計の読み方を教えておく努力が必要です。

「○時○分だから、そろそろ行こうか」
「あそこの針がちょうど真上に行ったら○時だね」

などの声かけも大切です。なにせ、頭の中に「正しい時計の読み方」が入っていませんからね

とはいえ、「9時」「7時」などのようにおおざっぱな時間ならまだしも、「8時57分」などのような細かい時間まで「慣れ」で覚えるのにはムリがあります。

そう考えると、デザイン性が高いけど勉強に向かない時計はいったんしまって「学校のような時計」にするか、それとも、デザイン性の高い「学校のような時計」にするか、はたまた、時計はそのままで「勉強用の時計」を使って親がレッスンをするのかという選択に絞られてきます。

とくに、「勉強用の時計」は掛け時計を買い換えるよりは安いですのでおススメです。

こういったもので学びながら、逆に文字盤がないアナログ時計で「テスト」するゲームをしたりしながら、学びを深めることもできるからです。

 

でも、面倒とかそういう理由で、そういったことをやらないでおくと、いざ、学校の算数で子どもがつまずくことにもなります。親が、子どものためにならない時計を選んでいるのですから、せめてその埋め合わせをするべきです。それを学校に求めてもどうにもなりません。

なぜなら、学校にいる時間よりも、家にいる時間の方が長いからです。

 

ただ、「デジタル時計」の場合は、「アナログ時計」に変えるか、別に目につくところに用意した方がいいでしょう。

なぜなら、「アナログ時計」で学ぶことには、もう一つ大事な理由があるからです。

(つづく)

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